● 誕生
「何時間待たせたと思っている!!」
2月の寒空に天才科学者が吠えた。
彼の名は常盤兼成。遠方から来た友人が久しぶりに会いたいというので出不精ながらもわざわざ出かけたところ、約3時間もの遅刻を食らったうえに新幹線の時間が来たから帰るとの連絡を受けたのである。
「確かに名古屋は地味に観光地やら店やらが多い。時を忘れる事もあるだろう。だが・・・忘れすぎだろう!!」
研究所に戻ると着ていたコートを床に叩きつけ白衣を羽織ると作業台へと向かった。
部屋に並ぶ謎の装置のスイッチを入れながら呟く。
「時を忘れるのは時計を見ないからだ。ならば、時計が歩いていればいい・・・ふふ・・・ふふふふふ・・・」
数日後、常盤博士の様子を見に来た友人(後のプロデューサー)が見たのは時計頭でオネエっぽい喋りをする人造人間「歯車壱式」だった。
●出会い
「は…腹減った……」
夏も終わった頃、一人の男が大須で行き倒れていた。彼の名は蒼樹潮。
ワケあって路銀も尽きライブハウスの壁に背中を預け途方に暮れていた。
「えーっと大丈夫?お腹空いた?ご飯食べる?」
「食う!」
即答であった。
近所の格安食堂チェーンでご飯を食べつつ話をする。
住む場所も仕事も金もないこと。それらのアテもないこと。
話を聞いたプロデューサーは一つの提案をする。
「今さ、助手が一人欲しかったんだよね。給料はともかく食と住の保証はしてあげるから…どう?」
「……やる。」
珍妙集団「常盤研究所」に新たなメンバーが加わった瞬間であった。
のちに彼は語る。「勢いで返事したけどちょっと早まったかもしれん。」と。
●人物
・歯車壱式(はぐるま ひとしき)
常盤兼成博士によって造られた人造人間。紆余曲折あってローカルキャラとして活動中。
詳しくはaboutを参照。主に常磐研究所のツッコミ担当(自称)。
・蒼樹潮(あおき しお)
歯車壱式のアシスタントとしてお散歩に同行する助手。
大須で行き倒れていたところをプロデューサーが拾って来た。
自称「元・V系バンドマン」らしいが楽器が弾けるわけでも歌が上手いわけでもなく色々謎多き人物。
常盤研究所のツッコミ担当だが壱式やプロデューサーに毎回振り回され気味。
・常盤兼成(ときわ かねなり)
歯車壱式を造った謎多き天才博士。
非常にものぐさで引きこもり。基本的に表に出てくることがない。
年齢性別ともに不詳だったが最近女性姿でTwitter上に登場することが多いため更に不詳に。
常磐研究所のボケとツッコミ両方担当。
・プロデューサー
歯車壱式と常磐博士を影から支える謎の人。といいつつあまり謎でもなかったり。
基本的に歯車壱式のお散歩などを影から見守ったり、各種根回しとめんどいこと担当。
歯車壱式ファンの方々からよく「プロデューサーさん休んで」と言われる。
常盤研究所のボケ担当だがあまり自覚が無い。